Copyright(c) 2007 Yushi Suda All Rights Reserved

股(股関節)の痛みは、整形外科の中ではあまり多いものではありませんが、他の関節とは違って、比較的体の内部にある関節なので、膝や肩や肘などと違い、マッサージや湿布、注射療法が利きにくい特徴があります。症状としては、歩きはじめるときに痛みがあったり、歩いていて徐々に痛みが出てきたり、さらには座っている時や、寝ているときにも痛みが出るようになります。また、股関節の異常は新生児や幼児、特に女の子に多くみられる傾向があります。以前は、新生児に股関節検診として初期の異常を早期発見していましたが、最近はこの検診を取りやめている自治体がほとんどです。実はこの幼少期の異常が、成人してから、股関節の痛みの原因であることが多いのです。
膝と同じように、股関節の使いすぎが原因で起きる股関節の痛みです。幼少期の子供の痛みの多くはこの単純性股関節症です。成人でも過度の運動やスポーツの後で痛むのは、ほとんどがこの病気です。症状としては、股関節全体が重だるかったり、特定の動きをした時に痛みがでたりします。そのほとんどは、安静にしてしばらく様子をみることで、治ることが多いのですが、実は、これらの症状の中には、ヘルペス病や化膿性股関節炎や脊椎疾患などの重大な病気が隠れていることも多いのです。これらの病気が原因の場合には、早めに適切な処置が必要になりますので、まずは専門医への受診をお勧めします。
日本人の変形性股関節症は幼少期の股関節の異常が原因で起こることが多く、加齢による筋力の低下などによって、関節部分の軟骨が磨り減って、関節が変形して痛みがでるものです。その痛みの多くは、一定の動作(椅子から立ち上がる・トイレでしゃがむ)をした時に、強い痛みがでます。そのままガマンしていると、どんどん痛みの範囲が広くなり、痛みの強さも増してきます。原因は磨り減った軟骨部分に他の関節の骨がぶつかって痛みが生じるので、若い方であれば、その部分が痛みが出ないように骨切術という手術をしたり、高齢の方や症状が進んだ方には、人工股関節を入れる手術が一般に行われています。特に最近では小さい傷口で人工関節を入れるMIS手術も多く行われていて、多くの患者さんが痛みから解放されています。


